生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

直明けの術後胃採石3連戦(緊急2例)

0時を超えてからは落ち着いており、4~5時間は寝られた。

昨日の当直帯に緊急入院した一人が、胃全摘後の胆管結石で、これは大体僕に当たるので(本来、当直明けに緊急患者は基本的に当たらない)、本日緊急でバルーン内視鏡をする予定としていた。

本日朝、外科の先生から、以前胆管ステントを入れた膵頭十二指腸切除後の人の黄疸が上がっており、チューブ交換を依頼された。元々、術後胃の胆管結石が予定で入っており、3件はきついなあと思い、外科の先生に明日はどうですか?と聞いたが、明後日転院のため、本日やって欲しいとのことであった。そう言われると断れず、緊急で行うこととした。

 

朝は胃カメラ。8件ほどこなす(半分は専攻医の指導)。12時過ぎに終了。病棟に上がって偶発症を起こした患者の友人に本人希望で経過を説明。攻められるかと思ったが、好意的で逆に心苦しかった。

 

昼ご飯を10分で食べ(早食いはダイエットにはよくないんだけど)、1時から大腸内視鏡1件。3分で盲腸へ。ポリープがあったが、さくっとコールドポリペクトミー。

その後、術後胃のERCP1件目。この人は、元々術後胃の胆管結石を繰り返しており、バルーン内視鏡での到達に1時間以上かかっていたが、あまりに結石を繰り返すので、別の手術の時に外科の先生が胆管への近道を作ってくれた。到達はバルーン内視鏡がいらないくらい容易になったが、胆管の屈曲がかなり強くなり、そのため結石ができやすくなったという痛し痒しの人。

いつもは石をとるのに1~2時間かかっていたが、本日は結石も少なめであり、30分程度で終わった。

 

ついで2例目の術後胃ERCP。バルーン内視鏡を用いて行った。乳頭へは6分ほどで到達し容易だったが、胆管選択に難渋した。変な道ができてしまい、そちらへばかり行くようになってしまった。何とか膵管を選択し、膵管口切開をして、やや強引だが胆管選択に成功。乳頭切開、バルーン拡張を行い、石をすべて取りだした。2時間ちょいかかったが、何とか勝ち切った。

途中でもうあかんかなと思ったが、この処置だけは、「もうあかん、やめよか」、「もう僕の引き出しは全部開けた」と言ってからが勝負で、ここから勝ったことは一度や二度ではない。本当はさくっと終わりたいのだけど、大体ドロドロになる。

 

次に後輩の小腸出血のバルーン内視鏡を手伝い、1時間ほどオーバーチューブを持った。元々の担当医が他の処置を終えてきたので交代し、病棟に上がって本日入院してきた患者に病状説明を行った。

 

戻ってきたら、後輩のバルーン内視鏡がちょうど終わった。時間は8時ちょい前で、それから最後のバルーン内視鏡によるERCPを行った。吻合部まで到達し、プラスチックチューブをメタリックステントに変更した。

 

終わった時には9時になっており、当直明けの身体にはさすがに堪えた。雑用を終わらせ、10時前に病院を出た。道は空いていたが(こんな時間に一時停止で警察が張っていた。こんな夜にそんな小悪を捕まえんでもええやんか)、集中力が散漫となっているのが自分でも判ったため、法定速度で帰ってきた(びゅんびゅん追い抜かれた。法定速度で走る方がむしろ怖いこともある)。やはり疲れていたようで、車の車庫入れにてこずった(そういや、昔も当直明けに車庫入れでぶつけたことあった)。

 

緊急バルーン内視鏡で2連勝したから、身体はかなり疲労しているが、その疲労も心地よい。これでうまくいかなければ、単にしんどいだけで、なんともいえない心情になっていたのだろう。たくさんの人に手伝ってもらった。感謝。

 

昨日は当直で、今日はへろへろだったので、全く歩いていないが、体重は89.3kgとほぼ横ばい。いっぱい食べたから増えたかと思ったが、大丈夫だった。明日はジムに行くか、ウォーキングをしよう。