生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

汚い仕事かもしれないが、プライド持ってやってます

今日も汚い話です。

消化器内科は、口や肛門などの汚い所に内視鏡をつっこむ下品な科で学問ではないと、以前糖尿病内科の先生に言われたことがあります(僕が研修医の時で、当時は僕自身消化器内科に進む予定ではなかったので、そうおっしゃったのだと思います。すごくいい先生でよくご飯に連れて行ってもらいました)。

消化器内科医として言い分が無いわけではないのですが、不毛ですし、他科のことは言いません。入院中に君らの患者が血を吐いた時、止めてやっているのは誰だ?うん?。確かに、便や汚物に引いていては、こんな仕事はできないので、間違ってはいません。

でも僕は、消化器内科医を職人だと思っています。高尚な学問をする方々からは見下されるかもしれませんが、職人を大事にしない文化は衰退するよとちっちゃい声で言っておきます。

 

今日は一日内視鏡の日。カプセル内視鏡を一人飲ませてから胃カメラへ。11時ごろに部屋を追い出されたので病棟へ。入院患者に病状説明をしていたら、また内視鏡をしに来いと呼ばれた。2件ほど行い、終わったら12時45分だった。ダッシュで弁当を食べ(ダイエットに早食いはよくないと前も書いた気がする)、13時には大腸内視鏡のため内視鏡室へ。

 

今日は大腸内視鏡の指名が2件あり。ホストばりに「ご指名ありがとうございます」と言いたいが、そういう人は大体難しいことが多いので、身構えてしまう。一人は多数回手術されており、腸の癒着が強い人。以前僕が行った時にたまたま楽だったようで、それ以降2年おきくらいの頻度でご指名がかかる。

 

これまでは10分前後かかっていたが、今日は7分で盲腸へ。しかし、抜いている時に吐き気が出た。おそらくは鎮痛剤の副作用だろう。自然に軽快したのでほっとした。

もう一人は、以前放射線腸炎に対し、治療をした人。少量の血便がまたでたとのこと。血管拡張が少し残っていたので、アルゴンプラズマ凝固で焼灼を追加した。

 

6件したところで、もう1件持ってこられた。大腸内視鏡は好きで、どんどんやるけど、でも他の当番が3~5件しかしてないのはどうなの?と疑問を持ってしまった。そうしたら、後輩専攻医が見学に来たので、最後の1件をやってもらった。

 

終了後、S状結腸捻転(だるんだるんの腸がねじれてパンパンになった状態。X線でコーヒー豆のように見えます)を繰り返している患者に対する内視鏡的解除を後輩がするとのことであり、ヘルプを頼まれた。数日前にも捻転を起こして、緊急で解除したばかりであった。

 

捻転部を超えると、腸はドーンと広がっており、おにぎりくらいある便がごろごろとしていた。幸い粘膜に虚血は見られなかった。

また下痢期に入り、今日も数回トイレに行っていた僕は、こんな便がでたら気持ちいいだろうなと変に羨ましくなってしまった。というか、肛門から出るのだろうか、あれは。

捻転解除はうまくいったが、あの腸はまた捻転を起こすだろう。根本的には手術をするしかない。

 

今日は早く仕事が終わり、昨日遅くてあまり歩けなかった分を取り戻すために(昨日は院内説明会でもらった弁当を片手に30分ほど歩いただけ)、病院周囲をうろうろ歩きまわった。今日は1時間以上歩き、9000歩近く歩けた。本当は10000歩をめざすつもりだったが、途中で下痢の発作に襲われたので断念した。

体重は87.8kgと順調に減っているが、下痢の影響もあるだろう。

 

明日はバルーン内視鏡のERCPが3件あり、普通のバルーン内視鏡が1件ある。そのうち3件は術者、1件は介助。ハードな一日になりそうだ。