生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

緊急内視鏡×3

今日の午前中は胃カメラ。後輩が入れ替わり立ち替わり現れ、自分でやったのは3~4件のみ。

午後は大腸ポリープの内視鏡処置。横行結腸の25mm大LST-NGでEMRでとれればよし、とれなければESDの予定であった。後輩が先発し、局注したが、中央部が膨隆せず。LST-NGであり、線維化をきたしていたと考える。EMRは困難と考え、バトンタッチしてESDを行った。80分ほどかかったが、なんとか一括切除できた。

 

約束していたMRとのアポイントをおえ、5時から当直。5時5分くらいにいきなり電話がかかってきた。要領の得ないコンサルトであったが、要は貧血が進んだ人が転送されてきたので、内視鏡をしてほしいと。吐下血は?と聞くと、よくわからないとの返答。よくわからないとは、どういうこと?と聞きなおすと、ありませんと。

なんだ、このコンサルトは?と思ったが、週末でもあり内視鏡をすることに。ナースに内視鏡するんですか?月曜日でよくないですか?と言われながら、内視鏡をしたら十二指腸潰瘍から結構血が出ていた。やっといてよかったと思いつつ、hot biopsyで止血。

お酒のみであり、ドルミカムで脱抑制となり、大暴れしたため、4人がかりで押さえながら処置を行った。

 

その内視鏡を待っている間に、透析病院から胆嚢炎を転送したいと電話あり。話を聞くと、胆嚢炎で過去に他院でERBDチューブを入れたとのこと。胆嚢炎でERBDチューブ? 胆嚢炎ではなく胆管炎では?と聞いたが、胆嚢炎と前医で言われたそう。

前医は透析の対応ができないので、今回は処置できないと言って断ったらしいが、前回はどうしてできたのだろう? 表向きは透析をやっていないという病院は結構あると腎臓内科の先生に聞いたが、この病院もそのようだ。多分ERBDの閉塞だろうと思い、転送してもらうように言って電話を切った。

 

転送を待っている間に、病棟の患者が血便を出していると他科の医師からコンサルトあり。鮮血が出ているため、前処置せずに緊急で大腸内視鏡をすることにした。

血便患者を内視鏡室で待っている間に、転送された患者のコンサルトもあり。予想通り、胆嚢炎ではなく、胆管炎が疑わしかったので、ERCPの同意書を先にとっておいた。

 

大腸内視鏡を行ったところ、直腸は血まみれであったが、横行結腸あたりで血液が無くなってきて、通常便となったため、スコープを抜いてきた。S状結腸に縦走潰瘍が複数あり、虚血か?と思って洗いながら抜いてきたが、直腸に血液が多くたまっており、血液がどんどん増えている。

上部用の内視鏡に変更して、よく観察したところ、歯状線周囲から噴出性に出血あり。潰瘍はなく、痔からの出血と判断し、EVL1個で止血を行った。

 

その後、ERCPを行ったところ、フルストマックであり、挿入に難渋したが、なんとか乳頭に到達した。ERBDチューブはドロドロになっており(今年の4月に留置し、そのままフォローされていなかったらしい。ESTもされておらず)、閉塞して胆管炎になったと考える。血小板が減少傾向で、DICを起こしていると考えられたので、抗血栓剤もたくさん飲んでいたことからESTを行わず、チューブ交換にとどめた。

しかし、なんで胆嚢炎でERBDを入れたんだろう? ENGBDならともかく。

 

終わって指示を出し終えて、漸く今一息つけた。病棟にターミナルの患者がいて、本日亡くなりそうなのでよろしくお願いしますと後輩がいい残して帰って行った。彼は眠りが深く、病院からの呼び出しに気付かないことが何度かあったので、もちろん来ますけど、起きなかったらすいませんと言っていた。

 

たて続けに緊急内視鏡を3件行ったが、もうお腹いっぱい。平和な夜となりますように。