今日は当直。すでに緊急内視鏡3件行った(といってもメインの術者は1件だけだけど)。その前に大腸のESDも行った。Bauhin弁に病変がかかっており、処置前の内視鏡ではその部位がよく見えておらず、そこが切れるかどうかが不安だったが、反転し局注をパンパンに入れることでなんとか切除することができた。後輩にも少し切除してもらうことができた。あと少しでESD200件に到達する。
しかし、病棟に回復の見込みが厳しい患者もおり、気持ちは晴れない。最近の梅雨空が、自分の心象を表しているようで、余計に滅入ってくる。
医者になって15年が過ぎたが、ターミナル状態の患者と家人への病状説明は、いつまでたっても慣れないし辛い。正直、毎回手探り状態だ。
医師という仕事は好きだし(他の仕事がまず務まらないけど)、消化器内科を選んだことも間違っていないと思うが、この時だけは少し後悔する。患者自身や家族の方が辛いのは重々承知しているが。
便の中をかき分けて大腸内視鏡を突っ込み、手に多少便がつくこともあったり、内視鏡中にゲロを吐かれたりすることもある仕事だが、まだその方が遥かにましだ。
家に帰って子供たちと戯れていると気持ちはほぐれてくるが、今日は当直で帰られないので残念だ。
あー、帰って北斗の拳を読みたい。今、カイオウと闘っているところまで読んでいる。後は正直惰性なところもあるが、でも記憶を失ったケンシロウが、ボルゲと闘う際に記憶がよみがえり、
「久しぶりだな、ボルゲ。二度までは生かさぬぞ」
と言ったところはしびれた。
他にも、以前引用した「引かぬ、媚びぬ、顧みぬ。」
「我が生涯に一片の悔い無し。」
「オレの墓標に名はいらぬ!!死するならば戦いの荒野で」
「ならば、神と戦うまで。」
「おまえのようなババアがいるか。」
などなど名言の宝庫だ。
矛盾は多いが、それを吹っ飛ばすほど面白い。懐古主義かもしれないが、黄金期のジャンプはどれもこれも面白かった。
40越えたおっさんが、何を恥ずかしいことをと自分でも思うが、眠る前にヒーローになった妄想をいまだにしている(流石に若い頃より頻度は減ったけど)。
ある時は北斗神拳の使い手になり、ある時はドラゴンボールの天下一武道会に出場し、ある時はガンダムを操り(ガンキャノンやゲルググや敢えてジムで無双している時もある)、ある時はダンジョンにもぐって龍や魔王と戦ったり、ある時はボクシングの世界チャンピオンになり‥。
最近はすぐに寝てしまうことが多いが、若いころは眠れないことも多く、延々妄想していたこともあった。
しかし、当直中はなぜか妄想がはかどらず、悶々と色々楽しくないことを考えてしまう。ドラえもんの道具に好きな夢を見られる道具があったが、あれが切実に欲しい。
あー恥ずかしい(笑。
今日はこの近辺の皆が健康であり、もう呼ばれませんように。