生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

病院ベッドは本当に余っているのか?と当院の現状を鑑みて思う

www.nikkei.com

当院は慢性的にベッドが足りないことが多く(移転の時にベッド数を大幅に減らしたが、その影響もあると思う)、月曜日の外来ではよく「満床のためERでOO人入院待機しています」という紙が回ってくる。少ないベッドを高回転でまわしているため、部長の早く帰せプレッシャーがきついことが多い(ベッドに余裕がある時は言われないが、その閾値が非常に狭くてピーキーだ。慢性期のフォローなどまずできないし、看取りをすることも減った)。だが、当院はベッドが足りない5つの都府県ではなく、過剰とされているところにある。

おなじ県でも地域によって違うのだろうが。そういや、救急車でいくつかの病院を断られてうちの病院に搬送されてくる人はけっこういるが、断る理由は科目外、満床、多忙のいずれかであることがほとんどだ。

‥このあたりは満床の病院が多いみたいだね~。ほんまかいな。

ちなみにうちの病院は何があっても救急車や転送を断るなというお達しが出ている。満床は理由にならないし(上述したようにERで朝まで待機)、緊急処置を何件抱えていても多忙を理由に断れない。

近隣の病院が、当院は救急を全部ぶんどっていると怒っていたという話を聞いたこともあるが、中で働いている者からすれば冗談ではない。2次救急までで十分対応できる患者が上記理由で断られまくって、断らない当院に搬送してきているだけではないか。救急隊が持ってくる申送り書に複数病院当たった痕跡があるのは珍しくない。電車で1時間かかる他市から搬送されてくることもちょいちょいある。その間にどれだけ病院があるのか、数える気もしない。隣の某市民病院は投げっぱなしジャーマンのような丸投げをしてくるし、かかりつけであっても平気で断っている。

‥きりがないのでよそう。最も、救急はリスクが高い(最近もニュースで小児の心筋炎を診断できずに問題となっていた。これは研修医が単独で帰したのが問題で、上級医にコンサルトしても見抜けない可能性はあったが)ので、断りたくなる気持ちもわかる。医療の不確実性は医療関係者にしか理解されていないように感じる。

 

今週はやはりまあまあ忙しく、前回のブログ後も食道ESDの介助、指導(専攻医ががんばったが筋層損傷あり。熱が出たが保存的に診られている)、総胆管結石の採石の介助、指導×2(1例はちょこちょこ手を出した)、大腸ESDの介助、指導(の予定だったが、難渋し結構手を出さざるを得なかった。線維化が強く、筋層牽引所見あり。えいやと筋層をぶった切ったら、穿孔はしなかったが、噴出性に血が出た)などなど。

昨日は当直。黒色便の転送を1件受けた(日本対韓国の女子カーリングの延長戦の最後の一投の時にちょうど電話がかかってきた。熱い試合だったが、電話に気を取られて気がついたら負けていた。しかし、カーリングは各国美女揃いだ)。

これも2次救急で十分対応できるが、転送は3次扱いになるので断れない。周りの病院が怒ってますから、そちらをまず当たられては?と言いたくなったが、黙って受けた。

消化管出血と胆管炎は内視鏡医の本領が発揮できる領域であり(前処置していない下部消化管出血は苦手だけど。この世で嫌いな物のトップ10に他人のうOこが入っている人は多いと思うが、仕事柄よく接する僕も全く例外ではない。スカトロジストならよかったのかな)、治療してやるとテンションも挙がるので、転送してもらって全然問題なし。

貧血ありとの触れ込み(顔色や眼瞼結膜から)だったが、Hbは正常でBUNも上がっておらず、なんちゃって出血か?と思ったが、DU出血だった。クリップで止血(また高いクリップを3本も使った)して入院させた。が、満床のためERで朝まで待機となった(そんな患者が計5人いた。金曜日の当直前にはベッドを空けておくことが多いのに)。

 それ以降は落ち付いており、3時間ほどは寝られた。カンファ室に余っていた牛タン弁当が美味くて夜に2つ、朝に1つ食べてしまった。さすがに食べすぎて胃がもたれ気味だ。直明けだが気合を入れてジムに行こう。