学生の試験問題を作り終わった。赴任したてのため割り当ては少ないが、それでも結構大変だった。作成要綱のようなものには、本学の試験問題は国試に準拠しているため、それにそって作成するようにと明瞭に書いてあった。
‥なんていい大学だ。母校は各学年の試験はもちろん、卒試ですら国試に沿った問題を出す科など皆無だった。ある科など、100問の問題をあらかじめ指定しておいて、その中から5問口頭試問を科すという鬼畜のような試験形式だった。単純な一語が答えである問題はほとんどなく、病態生理なども問われており、結構長くしゃべる必要があった。
山を張るものもいたが、高校ダブった割に小心者の僕は嘔吐しそうになりながら100問すべて覚えた。他の科も似たり寄ったりで6回生の秋だというのに、1か月以上国家試験のことなど全く考えていない試験に時間を取られた。
国家試験という目先にとらわれず、医学の本質を学べというのは崇高かもしれないが、結局国家試験に通らないとその崇高な意思も実現できない。申し訳ないが、次々襲い掛かってくる試験のため、終わった瞬間に内容はほぼ忘れて次の試験の勉強に取り掛かった。
同級生の中では最底辺の高校出身かつめちゃくちゃな経歴のわりに卒試の成績はよく、70%が優で、残りはほとんど良だった(誰にマウントとってんねん、しょぼ)。一つだけ落としたが、食あたりで試験を受けられなかった。
バイトに行っている病院は不思議な病院で、緊急でMRIがとれるし、心カテもできるが、緊急内視鏡ができない。消化器の常勤がいないため、消化器の救急は受けられないが、非常勤で内科当直をしているのはほとんどが消化器内科だったりする。
2次救急病院なのに3次対応が必要な状況でも連絡がきたりする。救急当直は研修医以来だし、内科当直も専攻医以来で、僕が持っている救急の本はかなり古いため、こんな本を今日買ってみた。当直御法度も買いなおそうかな。
当直明けに内視鏡をする契約であるため、内視鏡室に行ったところ、他院でtotal colonoscopyできなかった人のオーダーが入っているが、その人が今回は全大腸見られるのか?と言ってますけど、どうします?と言われた。
やってみないとわからないので、患者さんにそう説明すると、先生に任せますとのことであったので、やってみることにした。
上部は6~7件で、下部は3件だった。最初の2件は50秒台、2分台とさくさくっと片付けて、いよいよ今日のメインイベントにかかった。
他院でTCSできなかった人には2通りあり、医師の技術の問題か、本当に難しい人かのどちらかだ。
この人は後者だった。腸がたわむたわむ。ごっついredundantだった。ロングスコープを使ったが、かなり難渋し腹臥位にして根元までカメラを突っ込んだ。この手の腸は挿入で痛みを訴えないことが多いが、硬度可変の太いところまで肛門に入れた時はさすがに痛いと言われた。
20分ほどかかってなんとかTCS。当直明けにきつかったが、さらにポリープが12個もあり、そのほとんどをCSPで処理した。今日は楽勝で早く帰られるかなと思っていたが、結局夕方までかかってしまった。
今日の体重は75.4㎏。バイト中に昼食のため王将に行き、うまそうに見えた定食を頼んだが、チャーハンに餃子2人前プラス唐揚げと当直明けにはヘビーすぎた。