生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

汚い話で始まり、NHKを見直して、恥ずかしい思いをしたちょいストレスフルな当直の話

汚い話もあり、閲覧注意です。

 

今週のバイト先での当直の話。腹痛患者がウォークインで受診した。僕は消化器内科医だが、この病院には消化器の常勤がいないので消化器疾患の入院が難しく、消化器疾患を診づらいというもどかしさがある。しかし、ウォークインで来てしまっているのでとにかく診る必要があった。対応した事務曰く、腹痛で悶えているとのことで何度もトイレに行っているとのことであった。

とにかく一度診察をと思い、診察ベッドに寝かせた。どこが痛い?と聞くと、肛門が痛いと。便が出そうで出ないと訴える。腹痛は全くなし。とにかく一度ジギタール(肛門指診)をしてみることにした。

 

‥肛門を見るとやつと目が合った。‥うOこだ(目ないけど)。こんばんは。どうもこんばんは。肛門に挟まっている。結構太い。いわゆる糞詰まりだ。ここまで来たら自分でほじくり返せるやろうにと思いながら、摘便をした。何度も言うが、検査の中で大腸内視鏡はトップクラスに好きだが、便処置がよい状況でという大前提があり(この日、大学病院の大腸内視鏡で下剤飲んだんかいな?というくらい便処置が悪い人のポリープを9個取ったばかりだった)、うOこ自体は

嫌いランキングのトップクラス

に常にランキングしている。

 

仕事とはいえ、なんでおっさんのうOこをほじくらんといかんのだ、とニヒリズムに支配されながら黙々とほじくった。患者は悶えていたが、これを取らんと楽にならんよと言いながら、かまわずほじくった。結構ほじったので、浣腸するかと思い、ナースに用意をしてもらっていたら、ある程度予想はしていたが、激しく排便した。

まさに出る瞬間を目撃したが、僕の心にはさざ波もたたなかった。硬い便が出た後に柔らかい便が大量に出る経験を皆一度はしていると思うが、まさにそれだった。

普段は便秘ではなく、こんなことは初めてだというので、とにかくかかりつけ医を作って緩下剤について相談するようにいったら、ここでは薬は出ないのか?と言い出した。救急と夜間診療をごっちゃにしている発言にいらっとしたが、それは救急の仕事ではないと主張だけはしておいて、緩下剤を少し処方した。

 

その後もウォークインと救急車がちょこちょこ来たが、12時くらいにはすべてさばけた。火曜日の深夜のテレビは結構面白く、どうせ当直室ではあまり眠れないのでよくバラエティを見ているが、この日はNHKスペシャルが特に興味深かった。

安楽死についてのドキュメントで、神経難病(途中から見たので病名がわからないが、多系統萎縮症?ALS?)に罹患した人が安楽死のためにスイスへ渡っていた。

患者を何人も看取ってきたが(バイト先でも何人か看取った)、僕にとって死は仕事で触れるものであって、自分自身の問題としてとらえきれてはいない。近づきつつあるが、まだまだ先の問題と思っている(前のブログでも書いたが、怖いので目を背けている)。

安楽死は非常に難しく繊細な問題であり、僕自身の考えも曖昧模糊としているため、ここではこれ以上述べないが、番組内では家人に見守られながら、薬を投与して意識が混濁するところも放送していた。

NHKは不祥事がちょいちょいあり、ペイパービュースクランブルを導入せずに、勝手に流しておいて有無を言わさず聴取料を取る手法は、権力の横暴にほかならず、非合法組織のみかじめ料や押し売りと本質はなんら変わらないと思っているが、こういう良質な番組がたまにあるので、まあ払っといてもいいかという気にはなる。子供らはよく見ているし。

 

2時過ぎにようやくテレビを消して寝ようとしたが、安楽死の番組が衝撃的であり、なかなか眠れなかった。それでもいつの間にか眠ってしまっていたが、4時過ぎに病棟患者の急変で起こされた。その後、救急搬送依頼もあり、結局眠れなかった。

診察の合間を縫って7時過ぎに朝食を食べようとしたが、いつもは外科内科それぞれの分があるが、外科の先生の分しかない。しばらく待ったが、出てくる気配がないのでいろんなところに電話してみたら、今月からは外科の先生の分のみで、内科の分は事前申請がないと出せないと言われた。

‥事前申請も何もそんな話は全く聞いていない。病院の中にコンビニでもあればいいが、そんなものはない。昼前に開くちっこい売店のみだ(正直品ぞろえが悪くて一度しか使っていない)。

当直あけで帰られるなら別にいいが、そのまま内視鏡を1日するため、何かを食べておきたい(朝を食べない人もいるが、僕は子供のころから朝食は習慣づいている)。

朝食は病院食で、毎回全く同じメニューで、味は悪くないが、長期入院の患者は飽きるだろうなと思っていた。無いなら無いで前もって用意する(夕食はそうしている)が、いきなり言われて戸惑った。

検食の評価も毎回僕が書いていたのに、せめて前もって言ってくれよと思ったが、仕方ないので教えてもらったパン屋に行って朝飯を調達した。

 

午前の内視鏡が終わった後、医局秘書さんにこう言われた。

非常勤の先生(内科は基本非常勤が当直している)は朝食を食べない人が多いので、今月から廃止したが、また再開します。

‥俺、めっちゃ朝飯食べたいみたいやん。いや、無いなら無いでええねんけど、ごっつい恥ずかしいわ。一応、お礼を言っておいた。

ある患者が入院適応であったが、認知症があり、個室が空いていないため、入院させることができなかったり、なんかストレスがたまる当直だった。内視鏡バイトだけにしたいが、当直をしないと前病院よりも給料が下がってしまうので踏ん張らざるを得ない。

 

今日の体重は76.5kg。いらっとしていたのか、朝のパン屋で多くパンを買ってしまい、昼は中華を食べに出た。色々食べ過ぎた。