生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

相対化の呪縛

昨日は仕事だったが、今日は休み。家族で回転寿司に行き(息子が一番食べた)、その後娘二人と散歩へ。だいぶ涼しくなってきたが、季節外れのセミが鳴いていた。夏に戻った錯覚をした。暑いけど夏が一番わくわくする。

ラグビーワールドカップが始まった。細かいルールはよくわからないが、見ていて楽しい。オールブラックスのハカは迫力があり、サブいぼが出てくる。

 

某学会誌に掲載されていた論文に、僕が書いたケースレポートが引用されていた。小腸の病気についての論文で、バルーン内視鏡で全小腸観察を行い(口から挿入して大腸まで1回で見た。うOこが一緒に戻ってきたことになるが‥。自分のだからいいか)、カプセル内視鏡も行い、除外診断のため海外に検査も出した。

その病気が改善した後に、バルーン内視鏡を行い、内視鏡的、組織的に改善を診断した。本邦では珍しい病気で数例しか報告されていない。

その論文の中で僕の論文について、その疾患改善後にカプセル内視鏡で改善を確認していない。うちはやっとるぞ、どや?(とまでは言ってないが)と言及されていた。

 

‥なぜ人の論文を貶めるようなことを書くのだろう。

海外での報告例の方が多い疾患であるが、全小腸観察を行っている症例など1例もない。自分で言うのもなんだが、僕の症例が全小腸を観察した世界初症例だ。

その上でいうが、全小腸観察はこの疾患の診断において必要ない。十二指腸から小腸に病変が連続していることを確認し、びまん性変化をきたしていることを確認できれば十分だし、治療を行って症状が改善すればそれで治癒とみなしていい疾患だ。

それに自験例では、改善後に全小腸観察ではないが、バルーン内視鏡と組織診断で改善したことを確認している。

改善後カプセルを行っていないというのは、僕にとってはいちゃもんにしか聞こえない。そもそもこの論文ではバルーン内視鏡を一切行っていないし、組織診断も十二指腸からしか行っていない。カプセル内視鏡で全小腸観察をして、EGDで十二指腸から生検を行ったのみだ。除外診断で海外に検査も出していない。

カプセルで全小腸観察をするのが重要だというのであれば、バルーン内視鏡で直接観察し、小腸の組織診断を行っていないといちゃもんをつけ返すこともできる。カプセルは観察のみしかできず、組織診断には使えない。除外診断のための検査を海外に出していないといちゃもんをつけることもできる。

自分の論文に新規性を出そうとするのに人の論文を貶めるのは下の下だ。正直いらっときた。はっきりいって、こちらの症例の方がより詳細に検査もやりこんでいるし、内視鏡画像の質も上だ。タッチの差で日本初にはならなかったが、僕が投稿した時点では、日本報告例はなかった。

もう少し粘り気があったら、レターで反論するところだが、ここでカタルシスするに留めておく。引用されたのに不愉快な気分になるとは思わなかった(笑。他人を貶めて自分を浮かびあがらそうとする輩は軽蔑の対象だ。自分がその呪縛から完全に逃れられていないから余計に苛立つ。

 

今日の体重は78.2㎏。減量中だというのに、散歩中に娘にせがまれてケーキを買って、食べてしまった。