生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

高難易度ESD / 理不尽な電話

先週難易度の高いESDを行った。直腸以外大腸全摘されている人の直腸腫瘍で、歯状線から吻合部近くまでほぼ全周性に病変があるとの触れ込みだった。

正直絶対取れるという自信はなかったが、内視鏡治療できないと人工肛門必発の部位であるため、取れるかどうかで話が大きく変わってくる。それゆえ直腸は頑張らないといけない部位だ(正直他の部位は手術した方がよい場合もある)。最悪、分割EMRや焼灼となるとも説明した。

朝9時半ごろから開始。通常は粘膜下層に青い色素入りの液体を局注し、ゼリーのようなみずみずしい状態にしてそこを切っていくが、今回はほとんど青い層は見えず、線維化が強くて隙間がほとんどなく、白くて硬い層が延々と続いていた。一番奥の吻合部近くは特にがちがちで切れ目を入れるのも難渋したし、途中で手術で使われたステイプラ―(ホッチキスの針みたいなもの)がボロボロ出てきた(ITナイフがこれで曲がったことが何度かある)。全周性と思われていたが、亜全周性であったのが不幸中の幸いだった。

標本損傷したし、終盤に奥の空気を抜きに行った時に病変がちぎれてしまったが(幸いほとんど切除出来ていたので残った部位はわずかだった)、なんとか6時間で切除可能できた。ポカリスエットを持ち込んでいたが、終わった後に排尿したら濃い尿が出た。勿論疲労はあったが、何とか取れたという喜びの方が大きかった。

次の日もESDがあった。高齢の方の上行結腸のLSTで、post ESD coagulation synd.を起こしたくなかったので、筋層を露出させないように切ったが、見学の学生に軽口を叩きながら30分で取れた。40㎜を越えてしまい、高齢女性、深部大腸、40㎜以上と切除時間以外のpost ESD coagulation synd.のリスクをすべて満たしていたが、幸い経過は良好だ。こんなESDばかりならいいのにw

 

昨日の日曜日は日当直。日中は落ち着いており、少数の患者が来たのみだった。12時ごろにベッドに入って寝ていたら電話が鳴った。

「呼吸状態が悪くなってきている人がいて、家族が早めに呼んでくれと言っているので呼びます。」

‥???

「今亡くなったんですか?」「いえ、多分日勤帯になると思います。」

時計を見ると4時だった。これ何の電話? もちろんDNAR(心肺蘇生せず)であるし、今の段階で僕に電話をする意味が全く分からない。寝ようとしたが、意味不明な理不尽さにイライラが止まらず、寝ることをあきらめた。

僕がこれまで常勤で勤めた病院はすべて夜間休日帯の看取りは主治医が行う病院であったが、当直バイトに行った病院はすべて当直医が看取りを行い、主治医は病院に来ない。

これまで治療を続けてきたからこそ看取りたいと思う気持ちもあるが、正直急に主治医になってすぐになくなった患者の看取りで夜に呼ばれた時はどっと疲れた。が、バイト病院はすべて当直医任せだ。

‥それでもDNARの人の呼吸状態が少し悪くなったからって4時に電話してくる意味がまったくわからん。なんかなあ。

 

今日は幹部みーてぃんぐとやらの日だったが、日曜日の日当直の翌日は休むことにしているので、予定通り休んだ。次回の幹部みーてぃんぐ予定のメールが来たが、来月の日当直明けの日程だった。

‥知らんし。 正直、僕はいてもいなくてもいい置物状態なんでぶっちする予定w

 

今日の体重は77.7㎏。当直でお菓子食べまくったし、今日妻と昼食に行き、チーズ食べ放題だったので食べ過ぎてしまったが、なんとか横ばいをキープしている。