今の病院で働くのもあと1か月くらいだが、毎週ESDしてるし、新規の癌の化学療法の患者も当たっている。しかも後者は僕と同時期に病院を去る後輩と共にだ。短期決戦のESDはともかく、長期戦の化学療法で辞めることが確定している医師二人が担当なのはあまりよくないと思う。患者さんが可哀そうだ。
今週は食道のESDを行った。30分ちょいで取れたが、お酒のみで鎮静剤で脱抑制となり体動があったので、筋層が露出した。幸いちょっと熱が出た程度で済んだ。治癒切除だった。
次の病院では、提出する医師免許のコピーに原本照合印が必要とのことで、午後に抜け出して保健所に行ってきた。そんな制度があることを初めて知ったが、すぐに終わった。役所のお姉さんは丁寧に対応してくれた。
普段の昼食はおにぎり1個とプロテイン1杯だが、せっかく外に出たのでとラーメン屋に入り、みそ豚骨とチャーハンと餃子を食べた。いつもは軽くしか食べないのに、がっつり食べたので、夜のカンファレンスの時もまだお腹が張っていた(弁当は普通に食べたけど)。
30年位前に作ったキャッシュカードが割れていたので、ついでに銀行によって変えたが、こちらのお姉さんも丁寧に応対してくれて、あっさりと終った。合併で銀行が変わっていたため、それを理由にしたらお金がかからなかった。龍の模様でかっこいい(厨2まるだし)。
平日の昼間に外に出ることは学会と夏休みの時くらいしかないが、うきうきしてしまう。
夕方、病院に戻って仕事を終わらせて、カンファまで机の整理をしていると、部長から電話がかかってきて呼び出された。今週、異動を言われていた病院の部長に、大学病院に行くことになったと電話で報告していたので(当院の部長にはまだ言ってなかった)、その件だろうと思った。
異動の経緯
僕はA病院(公的病院)で研修医2年、後期研修医3年を過ごし、その後B病院(公的病院。今の病院)にうつって今年の4月で12年になる。
A病院、B病院ともに同じ大学の関連病院で、同じ市の公的病院だが、今回の異動話は大学はあまり関係ない。A病院で内視鏡を統括していた医師が辞めてしまったため、その代わりをということでA病院がB病院に誰か人をくれと言ってきたが、大学は人を出せないと言ったらしい(A病院の部長は大学からよくわからない変な人に来られても困ると言っていたので、頻回にお願いしたわけではなさそう)。
B病院の部長は、以前のようにローテートではダメか(僕がB病院にうつって2年くらいはA病院にスタッフがローテートしていた)と言ったが、それは困ると。では誰が欲しいと聞き、そこで僕が選ばれた(と言われたが、本当かどうかは知らない)。
僕がそれを言われたのが昨年の秋ごろの話だった。B病院も後2~3年かな?と漠然とは考えていたが、具体的に何も考えていなかった僕は正直戸惑った。で、しばらく考えたいと返事したが、この時点でB病院に残るという選択肢は僕の中になく、A病院に行くか、自分でどこか探してうつるかの二択だった。
僕がB病院に残るとごねると、他の誰かが行くことになるが、その人が望んでいくならいいがそうでない場合、そのままB病院で働き続けるメンタルの強さは僕にはない。
A病院は育ってきた病院で勝手はわかっているし、内視鏡治療を任せてもらえるというのはありがたい話だ。しかし、5年間で辛いことも結構あったし、一緒に働きたくない医師がいることもあり、喜んでいきますとは言えなかった。
A部長から何度か電話がかかってきて勧誘されたが、ありがたい話ですが、OO先生と一緒働きたくないので、即答はできませんと答えた。OO先生に対し、僕がそういう感情を抱いているとは両部長とも思っておらず、驚いていた。OO医師はもともとB病院にいて同僚だったが、僕は揉めたことはない(僕が我慢していた)。B部長とは揉めに揉めて、OO医師の配偶者が院長室に怒鳴りこんだこともあったようだが(パワハラで訴訟云々の話もあったらしい)、A病院に出ることで何とか治まった。
その後、A病院の院長からもお誘いの電話や手紙を何度か頂き、一度は病院まで来て頂いて面談をしたが、面白くてパワフルで魅力的な先生だった。A部長もA院長も、OO医師は変わったというが、自分の目で見ないとどうしても信用できなかった。
B部長にローテートで1年くらい行って、OO医師が本当に変わっていればそのまま残るし、やはり我慢できなかったらその時に辞めるというのはダメか?と提案したが、結局まずは行ってもらって、嫌ならその時にローテートを考えるということになった。正直、それは信用できなかったし、B部長は僕がB病院に戻りたいと考えているようであったが、その気は全くなかった。
業者に登録して色々病院を探したが、膨大な数の病院を提示され、咀嚼しきれなかった(微妙な病院も多かった)。それでも合計3つ面談に行き、いずれも内定を頂いた。2つはA病院と同じような病院で、A病院を凌駕する魅力はなかった。
もう1つの病院は、9時5時の勤務が可能で、救急も受けていないし、当直は寝当直で都会のおしゃれなところにあった。かなり魅力的で正直悩んだ。3年後であれば行っていたかもしれない。悩んでいた時に知り合いの先生から大学病院の話を頂き、結局は大学病院に決めた。
長くなったのでいったん区切る。