生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

仕事が終わればさっさと帰るべきでは

今週の月曜日は普通に病院が開いており、通常の勤務だった。働き方改革を声高に言っているにもかかわらず、やっていることはこれ(来月の祝日も仕事らしい。うんざり)。有給を5日/年消化しないと、罰則があるからと先日の夏休みも有給扱いになったし(余分に5日休んでもいいと言われても休めないでしょ)、どないやねん。

働き方改革をいいつつ、どこかで早く帰ることが罪悪かのような雰囲気が大学病院には漂っている。悪しき風潮だ。前病院にもそれがあったが、僕は仕事が終わってだらだら病院にいる意味が見いだせず、ここ数年は仕事が終わればさっさと帰っていた(それでも残業は80時間を切らなかった。僕より徹底していた医師もいた)。

通勤の電車はいつも満員だが、さすがにがらがらであった。この日はLECSという処置があった。外科とコラボするので手術室で行う。平たく言えば胃の粘膜下腫瘍をくりぬくのを内視鏡的にアシストする手技だ。結構前に何回かやったが、大学病院にうつってからは初めてだった。

そんなに難しい手技ではないが、人工的に胃に穴をあける(穿孔)必要がある。穿孔させたくない時はいつの間にか穿孔していることがあるのに、敢えて穴をあけようとすると意外と難しかったりする。特に問題なく処置は終了。

午後に胃瘻作成のアシストをしたが、胃瘻が埋没するトラブルがありヒヤッとした。何とかリカバーすることが出来て大事には至らなかった。胃瘻は気軽に頼まれる手技だが、色々なトラブルが起こり、これまで重篤な状態になったのを何度か見たことがある。

 

火曜日は久々のESD。といっても、hybrid ESDでやるように言われていたのでそれでやった。胃体部小弯と前庭部大弯の病変で前者は20分、後者は10分で取れた。ESDとhybirid ESDを比較して、色々調べてみようと思っているが、ぶっちゃけた話、前庭部はESDをしてしまった方がいい気がする。

前庭部はこのままESDをしても10分代で取れただろうし、hybrid ESDでは粘膜下層が厚く残ってしまう。印象だが、前庭部の方が後出血が多い気がするので、筋層をしっかり露出させて血管を処置してしまう必要があると思う。体部の大弯や噴門部の大きすぎない病変がhybrid ESDのいい適応だと思う。

 

昨日の当直は忙しかった。救急車は10台近く言われた(何台か断ったけど)し、病棟の患者が亡くなったり、緊急入院させた人が急変したりして、5時近くまで眠りにつけなかった。おかげで8時近くまで寝てしまった。急変した人は90歳オーバーで亡くなるかと思ったが持ち直した。不死鳥だ。

医師になってからいろんな病気の人を見ての印象だが、体力は今の若人の方が上だろうが、生命力という点に関しては昔の人の方が強いと思う。戦争を経験した人は特にそうだ。過酷な状況を生き抜いてきているからだろうか。

 

今日の体重は78.6kg。日曜日に娘二人を連れて本格カレーを食べに行き、チーズナンを堪能したらその日は79.7㎏になった。土曜日は77.9㎏だったので2㎏近く増えたが、また1㎏減った。