生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

救急について思うこと

久々のラーメンを堪能し、家にいったん帰宅。ラーメン食べたのに、体重は76.8kgと76kg代をキープできていた。1時すぎに眠りについたが、5時半に電話あり。吐血患者が搬送されているとのこと。

この時間の道路は空いているので、若干とばしつつ(この時だけはパトカーや救急車のように緊急車両のランプを使えるようにしてもらってもいいのではないか?と思っている)、6時1分前に病院へ。

内視鏡をしたところ、胃潰瘍があり、血管が露出していたので、hot biopsyで焼灼し、入院させた。

 

救急隊の記録を見ると、当院に来るまでに近隣の2次救急病院を3つ断られていた。多忙、満床とのことだが、2次救急病院に勤務した経験からすると8割方嘘だ。

僕が勤めている病院では、救急は断ってはだめだと言うことになっていて、年間8000台以上の救急車が来るし、満床になっても救急外来で待機しているが(月曜日の外来に、ERにO人患者が入院を待っており、入院ベッドはありませんという紙がよく回ってくる)、それでも満床を理由に断ることはない。

多忙で断ってよいのであれば、このあたりでここより忙しい救急はないので、この病院も断ってよいことになる。

 

消化器内科医なら、吐血や胆管炎と聞くと、絶対治してやると滾る気持ちがあるはずなんだけどなあ。特にERCPはテンションが上がるので、車でもテンションがあがる曲を聞きながらくる。一番のお気に入りは結構古い曲だが、これ。Heavy D渋い。

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もちろん患者さんをよくしたいという意識は大前提だが、それとは別に自分の実力を発揮したいという意識(自己顕示欲)があると思うけど、僕だけかな? この気持ちが無くなったら、救急の来ないもっとゆったりとした病院へうつろうと考えている。

もっとも2次救急病院では、内科は基本一人で当直しているので、それが消化器内科医でない場合、消化器内科医を呼びづらいなと考えて断っている可能性がある(他院に転送するのも手間なので、それなら断ってしまえ、どうせ3次救急病院が受けるだろと思うのもわからないでもない)。それでも輪番日でなければ、そんなに数は多くないはずだし、上述したように消化器内科医なら、専門性を発揮できる場は歓迎すべき場でもある(以前勤めていた病院の循環器内科医もAMIがくると生き生きしていた)。

処置が上手く行った後は、疲れていても決して不愉快な疲労感ではない(上手くいかなかった時の疲労は半端ないけど)。タバコを吸うものであれば、美味しいタバコが吸えるシチュエーションだ。

 

以前勤務していた2次救急病院では、少ない人数で輪番に入らず、救急を受けていたため、皆が疲弊した(僕も、名前わからないけど、こんな袋の漢方を出せと、夜中に怒鳴られたことがあるし、覚せい剤後遺症のある人に、便と尿から金を作る方法を刑務所で考えていたという話を延々夜中にされたことがある。他にもまだまだあるが、きりがないので別の機会に)。

一旦救急がぽしゃってしまったが、その後、救急隊が専門性の低い疾患(高齢者の尿路感染や誤嚥性肺炎や軽い眠剤中毒)しか搬送してこなくなった。僕は手技に対して、そうがつがつしているほうではないが(がつがつしている同期と後輩が、患者の前で手技の取り合いをして喧嘩になったことがあった)、当時は今よりも若く、手技に飢えていたので、正直物足りなかったし、ここの病院では吐血や胆管炎は治せないと思われていると考えると、情けない気持ちになった。

 

9時までの時間つぶしで書いていたら、話があらぬ方向へ行ってしまった。ある方向からしか物を見ていないとは自分でも思うが、これが偽らぬ正直な気持ち。

ただいまAM8時37分。このまま逃げ切れるでしょうか。もう少し病院で待機して帰ろう。