生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

目標は達成できたか?

先日、息子とテレビをみていた。東電OL殺人事件が取り上げられており、犯人とされたネパール人にインタビューをしていたが、そこで1回5000円でセックスをしたと言っていた。

それまで本を読んでいた息子がぱっと顔をあげてこういった。

「セックスって何?」

‥ベタな展開だが、上手く返す言葉をもっておらず、げふんげふんと咳をしてごまかした。小4だから全く知らないということはないだろうと思うが、うちの息子は幼稚くさいほうなので、本当に知らないのかもしれない。

その話を妻にしていたら、それを聞いていた小1の娘も「セックスってなに~?」と言い出した。この子は本当に知らないはず。適当にごまかした。

よく聞くベタなシチュエーションではあるが、いざ自分の身に降りかかると困ってしまった。

 

今日は我が家の大晦日恒例行事であるアウトレットへの買い物に行った。ここ何年か来ているが、今年は例年よりも人が多い印象だった。毎年新年用の福袋が用意されているが、まだ買えないので横目で見るのみだ。福袋は自分の好みのものが選べないのでそこまで興味があるわけではないが、でもちょっと気になる(笑。

長女がレゴが欲しいというので見に行ったところ、心に突き刺さったレゴがあった。

レゴ (LEGO) テクニック ポルシェ 911GT3 RS 42056

レゴ (LEGO) テクニック ポルシェ 911GT3 RS 42056

 

これだが、めっちゃしぶかった。ドストライクで思わず衝動買いしそうになったがぐっとこらえた。アマゾンで見たらアマゾンの方が安かったのでこらえてよかった。結構お高いが、いつかは買ってしまうのだろうな。本物のポルシェに比べればリーズナブルだし、まっいっか。

今日の戦利品は、アンダーアーマーのパンツ×2、バーニーズニューヨークのピンクのセーター、ドルガバのジーンズだった。ドルガバでは刺繍の入ったジーンズに惹かれたが、オーソドックスなものにしておいた。

買い物のあとは皆で近くの温泉につかり、一年の垢を落とした。

 

今日の体重は78.8kg。最近子供たちがお菓子をたくさんくれるのでついつい食べすぎてしまっている。トレーニングは続けてるんだけど体重が増えてきた。筋肉で増えたと信じたい。今週はベンチプレス75㎏が10回上がった。懸垂もちょっと反動を使ったが、肩幅で10回上がった。しかしワイドでは3~4回しか上がらない。

ドラゴンフラッグを撮ってみた。もっと水平になっているかと思ったが、そうでもなかった。肘に負担がかかるのであまりやっていないが、もう少し平行にできるようにしたい。撮影のためにこのポジションをキープしていた時に背中を痛めた。あほすぎる。

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ちょうど一年前にドラゴンフラッグを達成しており、そのことをブログに書いていた。 

mfuku4585.hatenablog.com

そのブログに今年の目標を書いていたので検証してみる。

○75kgを目指し、リバウンドしない。

→ちょっと増えてきた。見た目はそこまで変わっていないし、今は筋肉を増やそうとしているので、ある程度は許容している。

○論文を1本は書く。

→依頼原稿は書いたけど、論文は書いてない。何とか年度末までに1本がんばる。

○懸垂10回。

→なんとかできるようになった。ワイドで10回を目指したい。

○ドラゴンフラッグ連続10回。

→肘に負担がかかるのであまりやっていないが、10回はどうだろう。5回はできそうだが。

○APDWに演題を出して香港へ。

 →これは諸事情で断念した。

 

年があけてからまた来年の目標を考えよう。

明日は新年早々日直だが、あまり忙しくありませんように。

年末のこんな時期に‥

www.asahi.com

ひどいニュースだ。僕がこれまでクレーンゲームにつぎ込んであまり取れなかったのもこれか?と疑心暗鬼になるが、責任転嫁なのは重々承知で僕が下手なだけなのはよ~くわかっている。

目の前で従業員があっさりとったら、1回500円~10000円でも出してしまうのだろうか。クレーンゲームに1回10000円は流石に出す気がしないと思うけど、雰囲気にのまれたのかな。薄汚いが巧妙な手口だわ。

無料券を配るくらいならともかく、普通ゲームセンターで店員がよってきて、ゲームを勧めることってあまりない気がする。近所のゲームセンターで、無料券をくれたり、色々クレーンゲームのアドバイスをしてくれた店が1軒だけあったが、1回100円だったし、本当にそこそこ取れた。

‥しばらくしてその店に行ってみるとつぶれてしまっていた。純粋に良心的なゲームセンターだったのだろう。善人ほどバカを見て、憎まれっ子が世に憚るのはよろしくない。今回の逮捕ですこしすっとした。

 

今週、他院で大腸ポリープのEMRを2回失敗したという人が転送されてきた。また部長から外来中に電話がかかってきて、EMRだけして送り返すか、とれなければ外科へ紹介してといわれた。

‥本当に外来中の部長の電話は鬼門だ。碌なことがない。年末にこんなん入院させんといてほしいわ、偶発症おこったらどうすんの?と思ったが、はいはい返事しておいた。

EMRを試みたが、3cm以上あるIp polypで管腔が埋まってしまうほどでかかった。留置スネア、ジャンボスネア共にかからない。前医が失敗したのも無理はないと思った。

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これは今回の症例ではなく、ネットで拾ってきた画像。Ip polypはこんなキノコみたいな形をしている。今回のポリープはこれよりも大分でかくて、一画面に全貌がうつらなかった。

 

病状説明の段階ではEMR or 手術としか考えていなかったが、当日の朝、上の先生に茎が見えたらESDしたら?と軽く言われていて、僕も軽い気持ちでESDをすることにした。

やりだしてみるとこれがまた大変で、手前は切れるけど奥の方がポリープがでかすぎて切りにくい。ここかなと思って奥を切ったが、かなり奥であった。ポリープを手前に引きずり込んで奥をなんとか切ったが、S状結腸であることもあってかなり手古摺った。軽い気持ちで始めたことを後悔した。

全周を切った後、手前から切って行ったが、筋層がせりあがっているように見える層があり、また茎も太くてかなり出血も多かった。

1時間以上かかったが、なんとか切除することができた。どっと疲れた。お尻から出るかなと思ったが、ちょうどいいところでおならをしてくれたので出てきた。でかい梅干しのようだった。この後、もう1件予定の大腸ESDがあったが、後輩がさくっとEMRをしてくれたので、ESDを回避できた。

幸い経過は良好であり、前医へまた戻ることになった。

 

今日の体重は77.8㎏。今日はスクワットをやった。なかなかピストルスクワットができるようにならない。関節が固いのか、すぐバランスを崩してしまう。先日、子供と出かけた時、競争となり全力疾走したが、そのせいか膝の裏側が痛い。

‥老化ってせつないわ。

なんちゃって小腸出血

今日は日直。入院を一人させたが、緊急内視鏡もなくまあまあ落ち着いていた。

 

‥息子が本を読まない。漫画は好きで、僕が若いころに集めていたドラゴンボールを読みこみ過ぎてぼろぼろにしたが、いかんせん本を読まない。興味を持ちそうな本を与えてみたが、ツボに入らないと手にも取らない。

長女は本好きで、次女もひらがなを読めないが、本を良く眺めている(しかし、次女もひらがなを覚えるつもりが全くなく、幼稚園でもらってきた名前のひらがな一文字ずつの札を並べるように言っても、わからないといってやろうとしない。強く言って並べさせると、「しおり」、「おしり」、「しりお」と恣意的に並べている)。

 

小学校で本を強制的に借りさせられるようで、そんな息子が持って帰ってきた本(というか漫画)を見てのけぞった。

巻き寿司の秘密 

‥そない巻き寿司に興味ないやろ。そのチョイスはちょっとおもしろかったけど。なんでこれを借りた?と聞いてもよくわからないと。

僕自身、本はよく買ってもらったがそれだけでは足りず、小学校低学年のころから電車で二駅離れた結構遠い市立図書館によく本を借りに行ってたけどなあ。僕の幼少時の行動で褒められるべき数少ない行動だ。 

個人の嗜好なんで、本を読むように強制するのは難しいが、好きな本は読むので(ファンタジーや西遊記はよく読んでいた)、なんとか読書の楽しさに目覚めてほしいものだ。

 

今週、小腸出血疑いで転送が1件あり、救急当番の後輩からこんな人が来ますので、来たらよろしくお願いしますと言われた。

CTで小腸に造影剤の露出があるとの触れ込みであったが、持ち込みのCTを見てもそれらしきものが見当たらない。救急当番の後輩が前医に確認の電話をしたところ、担当医はもう帰ってしまったとのこと。

‥昼の1時やで。なんで帰ってんの? 当直明けならありえない話ではないが、民間病院だからバイトに行くのかも‥。extraもはっきりしないし、小腸出血ということにしてさっさとうちに押し付けて帰ろうとしたのかと邪推してしまった。

 

血便であったので、大腸チェックがてら緊急で経肛門的にDBEを行った。血液と便をかき分けて行う小腸内視鏡の難易度は高かったが、小腸には到達は可能であった。大腸には出血の痕跡があったが、小腸に入ると全く出血の痕跡はなく、小腸出血は否定的であった。

いわゆるなんちゃって小腸出血だ。他院から小腸出血との触れ込みで転送されてきて実は小腸出血ではないことはちょいちょいある。大分前に調べた時は30%くらいがそうであった。

もちろん、どこでも小腸の精査ができるわけではないので、送ってもらうのは全く問題がない。でも、こういうことを言うと増長していると思われるかもしれないが、安易に小腸出血と言う傾向があるのでは?と思っている(小腸を専門としていない同じ病院の同僚にもそういう者がいる)。

上部消化管内視鏡は異常なし。下部消化管も異常なし、もしくは血液があるが出血源がわからない、だから小腸ですと言われることがある。下部に血液がある時に本当に小腸出血を疑うのであれば、回腸に入ってじっと待つ必要がある。大腸出血でも回腸に血が逆流することはよくあるので、回腸末端の血液の存在は小腸出血の証明にならない。口側からの血液の流入を確認する必要がある。

CTでextravasationがあれば間違いないが、今回のようにあるとの触れ込みで送ってこられて、ないということはレアケースだ。電話の段階では前医の言うことを信じるしかないので、これはどうしようもない。

僕も専攻医の時に、小腸出血と思って小腸検査ができる病院(今勤務している病院だが)に紹介したことがある。小腸には異常がなく、後日ERに下血で搬送されてきて十二指腸潰瘍と判明したことがあるので、全く偉そうなことは言えないけど(笑。

 

今日の体重は77㎏。日直後ジムに行き汗を流した。今日もベンチプレスは70㎏が10回上がった。もう2回くらいはいけそうだったが、あまり無理はしないでおいた(つぶれるとかっこ悪いので)。

やりやすい腹筋ローラーでだが、大分押し込めるようになった。

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死刑執行のニュースをみて

今月はローン減税が給料に含まれるので、いつもより額があがり、テンションも上がる。結局は自分が払った、もしくは払わないといけないものだし、それだけローンが多いということでもあるけど(笑。来年で10年になるので、次で最後だと思うとせつない。

 

先日、死刑が執行された。それを取り上げた毎日新聞の記事がまとめサイトに取り上げられていた。

以下引用。

おことわり

 毎日新聞はこれまで、事件当時少年だった関死刑囚について、再審や恩赦による社会復帰の可能性などが残されていたことから、健全育成を目的とする少年法の理念を尊重し匿名で報道してきました。しかし、死刑執行により更生の機会が失われたことに加え、国家による処罰で命を奪われた対象が誰であるかは明らかにすべきであると判断し、実名報道に切り替えます。

 

関光彦のyourpediaを改めて読んでみたが、気分が悪くなる。どう考えても更生するとは思えない。というか、僕が被害者の身内なら、更生したら逆に許せないと思う。

関とは同学年で、この事件の頃僕は高校4年だった。そのころの僕も大概くずだが、彼とはレベルが違いすぎる。鬼畜の所業とはまさにこのことだ。4歳の女の子も殺しているが、うちの末娘がちょうど4歳でかわいい盛りだ。なんでこんなことができるのか、全く理解できないし、したくもない。

人間の生きる権利を故意に奪った者を罰するのに死刑以外適切な方法があればいいが、余り思いつかない(何もさせないで延々閉じ込め続けるってのも一つだが、物議を余計に醸しそうだ)。国家による処罰で命を奪われた対象という文章に毎日新聞の思惑が透けて見えているが、この文章を被害者の身内が読んだらどう思うかくらいは想像してほしいわ。

冤罪の可能性も残るし、執行するのにも気力がいりそうだから、死刑まである程度間隔が空くのはやむを得ないが、僕が高校4年の時から今までずっと拘置所にいるってのはある意味罰ではある。もちろん犯した罪には全く見合っていないが、ほぼ毎日死を意識させられるというのは、精神に来そうだ。

 

高校4年の頃の記憶はだいぶ薄れてきているが、それは黒歴史を忘却の彼方に追いやりたいのと、鮮烈な体験がなく中身がすかすかで覚えておくべきことがほとんどないのと、その両方だろう。今になって、もっと勉強しておけばよかったと反省するが、後の祭りだ。

息子にも勉強だけすることほど楽なことはないし、凡人でもある程度の結果が出せることは他にないと言っているが(プロ野球選手やJリーガーになることや起業して成功することと比べて、そこそこの大学に入ることはかなりたやすいとも言っている)、まあわかってない。

小学生だからしょうがないし、遊び呆けていても許してやりたい気もするが、昔と違って塾に行く子が増えている。しかし、緊張感がなさ過ぎて、妻にしょっちゅうぶちぎれられている。先日も怒られている時に消しゴムをはじいて遊び出して、さらに火に油を注いでいた(僕があの立場なら失禁しているくらいの怒られ方だった)。

 

今日の体重は77.8kg。昨日、妻がもらってきたシンガポール土産のチキンライスを夕食に食べたが、非常に美味だった。夜は糖質を控えていたが、お代わりしてしまった。前から食べたいなと思って近くの店を調べていたが、想像以上の味だった。

 

 

露悪

例年は僕が小遣いでクリスマスプレゼントを買っていたが今年は嫁に任せ、今年からはお母さんの友達のサンタに頼むからお母さんにプレゼントを言いなさいと伝えた。息子は僕が誘導してスイッチのゼルダにしたが、ゲームに興味のない嫁に任せておくと古いゼルダを買いそうなので、息子の分だけ僕が買うことにした。

娘2人はまだ信じているが、さすがに小4の息子は、サンタなんていないだろうと言い出し小憎たらしいが、そんなこと言ってるとお前のところには算数の参考書が届くぞというと、友達がいないと言っていただけで、僕は信じてるよと他愛のないものだった。

今日ゼルダと算数の参考書を注文した(笑。

 

漸く原稿を書き終えたので、昨日からゲームを始めた。ゼルダをやるつもりだったが、ゼルダは上述した理由でクリスマスまで来ないので、シャドウ・オブ・ウォーをやっている。前作のシャドウ・オブ・モルドールもやったが、指輪物語と同じ中つ国が舞台だ。アクション下手でも、サクサク勧められて面白い。

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高校の時に指輪物語は入手し、何度かトライしたが、いつもホビットの冒険で脱落してしまい、早30年が経過した。その間に映画も出来たが、まだそれも見ていない(DVDは持ってるけど)。仕事をやめて暇になったらじっくり読もうかと思っている。

 

先日、若い男性の内視鏡治療をすることになったが、ついてくれたMEさんが、カルテを読みこんだようで「こいつはだめですね。へたれですね。」と言いだした。病状説明をした時にちょっと弱々しい感じではあったが、それ以上の印象はなかったので、どうしてですか?、なんかあるみたいですけどと聞くと、「いやいやいや、あれはだめですよ。引きこもりのあまちゃんですよ、元引きこもりだった僕が言うのだから間違いない。」とどんどんヒートアップしていった。

はあ、そうですかと返すと、「そうですよ、だめです。へたれです。元引きこもりだからわかります。」と何度も元引きこもりを繰り返した。剥き出しになった感情の熱量に押されてしまった。

僕自身、露悪的に自分をさらすことをちょいちょいするが(それはある種の快楽を伴うから)、人がそうすると対応に困ってしまった。自分がやるんなら人のにも反応しないとと思うが、さすがにそこは突っ込んでいけず、話をそらしてしまった。

ダブスタになるので、僕も言うのをよそう。といっても、僕はそこまでパンチのある露悪を最近はしていないけど。でも、高校ダブった話をして、目をそらされるわけがよ~くわかった(笑。

僕も完全に引きこもっていたわけではないが、プータローの1年はそれに近い生活を送っていた。僕自身は何らかの影を持った人にある種の共感を覚えるが、それはそういう経験をしたからだろうと思っていた。しかし、MEさんのようにある種の敵意を覚える人もいるのだと思った。苦労してそこから脱却し、過去の自分を見せつけられているかのように感じるからだろうか。同族嫌悪だろうか。

MEさんとはほぼ同世代で、共に引きこもり体験(?)があるのに、抱いた感想が違うベクトルを向いていたので、興味深かった。

 

今日の体重は77.0㎏。これまでディップスやダンベルプレスはやっていたが、ベンチプレスはやっていなかった。25㎏荷重してディップスをやっているが、胸に効いているのかどうかよくわからないので、15年ぶりくらいにベンチプレスに取り組むことにした。今日、割とフレッシュな状態でやってみたら70㎏が10回なんとか上がった。1RMなら90㎏くらいだろうか。全盛期の120㎏まではいかなくてもせめて100㎏はあげたい。

びびりながらESDをした後にちっちゃい怒り

本日は一日内視鏡の日。午前中、上部消化管内視鏡をしている時に、家族の都合で本日入院してきた患者の病状説明を午前中にしろと病棟から電話あり。

こっちも遊んでいるわけではなく業務をしているのだから、緊急性のない病状説明を優先できない。僕が午前中に話をするといったわけでもない。

内視鏡中だからすぐには行けない、できるだけ早く終わらせて行くから待っといてもらってというと、何時くらいにこれますか?とまだ食いさがってくる。

だ~か~ら~、内視鏡が何時に終わるかわからんやろ~、そんなことは内視鏡室に聞いてくれといらいらっとしたが、そら、わからんわと言うに留めた(病棟では怖いと言われることもあるが、こういう対応も悪いのだろう。大人げないのは認めるが、こっちも常にそんな対応をしているわけではない。ぶっきらぼうな対応をしたくなるような内容の話をせんといてほしいわ)。

 

その時点で他の医師より+1~3内視鏡をしており、正直そこもいらっとはきていた。大腸内視鏡は患者の難易度、処置の有無、医者の技術で時間の差がつくのはよくわかるが、上部消化管内視鏡に関しては拡大観察以外で時間の差がでる理由がはっきり言ってわからない。だらだら見ているか、怠惰なだけだ。

大腸は上記理由で差がつくのはわかるので、たくさん持ってこられてもイライラしないが(俺が上手いからだと自己昇華させて、無理やり納得させている面はあるが)、上部に関しては、早く来て(時間通りに来ない医師も結構いる)、たくさんやって、遅くまでやっているのはおかしいと常々思っている。昼近いので腹も減るし。それでも最近は検査数が多いので、文句を言わずにやっている。

 

さっさと終わらして病棟に行きたいのに、11時30分くらいから患者が入ってこない。しかし、終わりですと声もかからない。10分ほどぼーっとして、さすがに内視鏡の振り分け係りに、病棟に呼ばれてるんやけどどうなってんの? まだあるんなら早く持ってきて(本当は、あまりやっていない医師に振り分けてくれと言いたかったが、ぐっとこらえた)と言ったら、後1件あるんですけどと言ってきた。今すぐ入れるんならやるよといい、急いで入れさせた。

なんとか12時には検査を終わらせることができ、病棟へ。患者の家族にお待たせしたことを謝罪し(幸い怒ってはいなかった)、病状説明をしようと個室へ移動しようとした時、その病棟から電話がかかってきた。

「家族さん待ってますし、いつ来られるんですか?」

ぷちっ。

なんか切れそうになった。今この病棟いますけど、その患者のとこいますけど。ていうか、検査何時に終わるかわからんって言ったよね? エレベーターこーへんから、階段で小走りに来たのになんなん? なんなん?

患者さんと家族がいるので、ぐっとこらえて、「今ね、その患者さんと家族のとこに来てるよ。それに僕、内視鏡何時に終わるかわからんので、終わり次第行くって言ったよね?」そこで返事を聞かずに電話を切った。

あ~あ、また嫌われた。正直、自分が間違っているとは思わないので、別にいいけど。

 

医療従事者なら、時間が約束できないことくらいわかるはず。 

患者が急変してても、処置中でも、手術中でも、「3時になりました。違う処置がありますから(病状説明でも外来でもいいわ)、この処置は終了します。」ってやってもいいわけ? 心臓マッサージ中止していいわけ? ESDも病変取れてなくても止めていいわけ? 電車やバスのように時間通りには行かんよ。

 

‥こんなことでいらっとしている自分がちっちゃいのはわかるけど、でもすっきりした。ここは王様の耳はロバの耳の穴だな(笑。

 

今週も盲腸のLSTのESDをした。EMR後の遺残再発が疑われ、先週のこともあり、腰はかなり引けていた。病状説明の段階で、再発なら線維化が強くて安全に切除できない可能性が高く、その場合は中止しますと予防線を張っていた。

先週の人も挿入が難しかったが、今回の人も難しかった。しかし、オーバーチューブを用いたおかげで、挿入後はまあまあ安定した。

大腸ESDの時はアドレナリンがかなり出るが、特に盲腸は脂肪が多いため、穿孔か?とはっとすることもあり、よく頻脈になる。先週のこともあり、今回は切除前からややタキって(頻脈)いた。

最初の局注の浮きは悪くなかったが、びびりすぎてかなり浅い層を切っていた。それでも切除を進めていくと、やはり強固な線維化が出現した。EPMRに切り替えるかと思ったが、線維化の部分で病変が残ってしまうのは確実で、何分割になるかわからなかった。

FlushKnife BTからIT nanoに変更し、切除を進めていった。上の先生が見に来て、この線維化はすごいし良性だろうからチギレクトミー(千切り取ること)でいいんじゃないか?と言った。たしかにいかつい線維化だった。

 

以前ESDした人の線維化のない粘膜下層。ゼリーみたい。局注液に青い色素を入れているのでこんな色になる(この例は少し薄めだけど)。ESDをするたびに粘膜下層って綺麗だなあと思ってしまう。

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今回の線維化の部分。青い層は出てこずかちこち。左はましだが、右はスペースもない。

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線維化の部分以外は何とか剥げたので、線維化の部分で筋層を想定し、IT nanoでえいやと切った。一部病変はちぎれてしまったが、なんとかESDで切除可能であった。

今のところ経過は良好。先週手術になった人の経過も良好で食事をしているが特に問題ないよう。

 

今日の体重は77.7㎏。ポップコーンを食べすぎた。

痛恨、悔恨、回顧

今日は日直。結構落ち着いており、新規入院は0だった。

 

先日盲腸のLSTのESDを行った。切除自体は問題なく行えたが、一部筋層が露出していた。1cmもないため、ほっとこうかと思ったが、もともと筋層がペラペラな部位であり、向こうが透けて見えていた。

早期退院を希望しており、深部大腸では穿孔していなくても腹痛を起こし、熱が出ることがちょいちょいあるので、クリッピングしておくことにした。

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クリップをかけたところ、すぐ横に2mm前後の黒いスペースが見えた。

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‥穿孔だ。クリップ穿孔の話は聞いていたが、自分で経験したのは初めてだった。最初は通常のクリップを用いたが、爪がついておりその爪で裂いた可能性があるため、QuickClip proを使用して閉創した。

 

次の日は腹痛はあったが軽度であり、腹部もsoftであったが、翌々日に腹痛は増悪し、腹部もやや硬くなっていた。CTでfree airが少量あり、遅発性穿孔が疑われたため、外科に相談したが、穿孔しているとも言い難いため、腹部症状をフォローするとのことであった。しかし症状が増悪してきたため、同日緊急手術となった。

自分の仕事を終わらせて、手術を見に行くと、ちょうど盲腸を見ているところであった。腹膜にクリップが2個あり、外科の先生がつけたのかと思っていたら、僕がかけたクリップであった。骨盤腹膜ごとかんでいたらしい。

胃でomental patchをやったことはあるが、今回はomentumは見えなかったので、普通に閉創した。穿孔部は1cmほどあり、クリップをかけた部位がごそっと落ちたようで、それで腹膜にクリップが残っていたのだろう。

手術は無事終了した。ラパロアシストであり、創部は小さくstomaを回避できたのが不幸中の幸いであった。本人と家人に偶発症を起こしたことを謝罪した。今のところ、経過は良好。

多少熱が出るとしても何もせずに放置しておくべきであったと反省した。

 

これまでESDを行い穿孔で手術になった症例は他に2例ある。

1例は後期研修医の時に初めてやった症例。10年以上前でちょうどESDが普及し始めた頃であったが、後期研修医として勤務していた病院はスタッフが保守的なこともあり、ESDを導入しないという方針になった。

新しいことを覚えたいと思っていた僕はそれにがっかりし、またあまりの待遇の悪さに僕は後期研修の3年目を別の病院でしようとしていたが、パワーゲームでつぶされた。他のスタッフは降格や違う病院への転出で上手く逃げたが、僕だけが逃げ損ねた(母校に入局しようとしたが、それすらつぶされようとした)。

新しく来た先生が、前勤務先でESDを行っており、当院にも導入した。僕は自力で見つけてきた異動先をつぶされたこともあり、どこかにESDの勉強に行かせてくれと言い続けていたが、そんなことは許してもらえず、労働力としてこき使われるだけであった。

そんな折、新しくきた先生がESDをやってみるか?と言った。やったこともないくせに、本を読んでこれはできるだろうと過信していた僕は飛びついた。

初心者には普通、前庭部病変から導入するが、いきなり胃角の病変であった。本を読んで予習していたはずだったが、やはり実際やるのは全然違う。案の定穿孔した。1~2mmのmicro perforationであり、上級医がクリップで塞いだ後、そのまま切除した。

2日程腹痛が遷延したため手術となった。今思えば、あの程度の穿孔であれば保存的に経過を見れたと思うが、黎明期でまだよくわかっていなかったこともあり、手術となってしまった。申し訳ないことをした。

それ以降、僕はどんなに言われても蟄居閉門と称して後期研修医期間中はESDをしなかった。どこかのhigh volume centerに勉強に行かせてくれと言い続けたが、結局かなわなかった。後期研修後にスタッフで残れと言われたが、もちろん断った。

 

もう一例は8~9年前の症例。体部の病変で、線維化も強く結構難渋し、途中で上級医に変わった。切除時には穿孔なく終了したが、夜に腹痛が強くなり、CTでfree airがあったため、遅発性穿孔を疑い手術となった。

上級医が術中に内視鏡をして、どこに穴があいているかを見ようと言った。口側なら僕で、肛門側なら先生がやった部位だな、結構出血したからなとも言った。最初肛門側から切除し、線維化が強くなって交代したが、僕がやっていた部位で出血が多く、soft凝固でかなり止血したので、それで遅発性穿孔を起こしたと考えたのだろう。

僕もそう思っていたので、そこまでして責任逃れせんでもと思ったが、実際術中内視鏡を行ってみると、穿孔部は線維化の強い口側の部位であった。上級医は「ここか‥」と言ったきり、何も言わなかった。

手術は無事に終了したが、元々基礎疾患があってベースが悪い人であり、どんどん予期せぬ合併症が重なり、不幸な転帰をたどった。穿孔部を確認して自分が切除した部位だとわかっているにも関わらず、上級医はまったく表に出てこなかった。必然的に僕が矢面に立った。

偶発症であり医療ミスではないが、もちろん家人はそう簡単には納得できず、事務を交えて何度も話をした。勿論偶発症をおこしたことを謝罪した。私生活でも家を買おうとしており、ばたばたしていてあの頃は精神的にかなり辛かった。

偶発症をおこすと、患者のところへ向かう足が重くなるが、しかしそういう時こそ行かないといけないため、毎日複数回足を運び、ICUにいる時は1時間以上家人と話をしたことも何回もあった。

色々あったが、最終的には納得してもらえた。

 

内科の中でも消化器内科は循環器内科と並んで侵襲が高いことをやっており、偶発症が重篤になることもある。もちろん、毎回起こさないように注意を払っているが、それでも0にはできない。 心が折れそうになることもあったが、なんとか踏ん張ってきている。

 

今日の体重は77.1㎏。日直中に色々食べてしまった。