生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす

先週の金曜日に緊急入院あり。ある処置が必要だが、消化器内科が細分化されている大学病院では他科が行う処置だ。なぜかその科が入院の主科とならず、僕が属している科が主科となって入院の管理を行い、処置だけを他科に依頼している。中途半端なVIPであり、ややこしいパワーゲームの結果そのようになっている。

大学病院では他科がやる処置とはいえ、そこまで細分化されていない市中病院では全員ではないが、専門家以外でも行える処置ではある(緊急で行う必要もある処置)。僕自身も何百件とやっており、十分対応可能だ。だが、大学病院はいろいろと面倒なところであり、パワーゲームも絡んで手を出せなかった。

入院日は処置を行わず経過観察となった。翌土曜日にデータが悪化しており、処置が必要と思ったが、他科の判断を仰ぐと諸事情で処置を行わないとのことであった。前病院の時であれば、金曜日の時点でとっくにやってしまっているが、郷に入りてはなんとやらでそうですかと聞いておいた。

患者への説明は僕が行ったが、VIPであり、いろいろわがままを言っていた。僕も内心処置を行うべきと思っていたので、説明も苦しく歯がゆかった。いっそ、僕がやりますわと言いそうになったが、ぐっとこらえた(後々、事情を聞くとそれが正解だった)。

‥案の定、土曜日の夜に状態が増悪し、緊急で処置を行っていた。それを聞いた僕の頭の中には「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり‥」と平家物語が流れていた。

‥なぜ?

 

大学病院はいろいろややこしい。前病院のような激務の3次救急病院も色々大変だったが、このような苦悩はなかった。救急で有名な病院だけあって、緊急処置は本当にやりやすかった(といっても一晩に5件も緊急内視鏡したくないけど)。

‥なんかニヒリスティックになるわ。

先日の納涼会で、准教授に1年で辞めるとか言わんといてなと言われたが、内心がにじみ出てしまっていたのだろうか。学位もらえるまでは頑張りますと言っといたが、元々とる気なかったし、学位も別にいいっちゃあ、いいんだよなあ。

その納涼会で、2年目研修医を上級医が勧誘していて、「母校や、やっぱり母校が一番や。母校を盛り立てなあかん、そう思うやろ。最終的には母校やで。」と母校を10回以上連呼していた。あまりの勢いに誰も突っ込めなかったが、その研修医は他大学出身だった‥。

それがわかった後、「え、うちの大学出身ちゃうんか? 出身やろ? えっ、ちゃうんか、ほんまか。」とさすがにわかりやすく動揺され、とにかく残ってくれと言って去っていった(笑。

 

今日の体重は78.5㎏。じわじわ増えている‥。やばいな。