生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

初海外の思い出①

4日の日直は終盤に近付くにつれ忙しくなり、ショック状態のAOSCにERBDを入れ(ノルアド投与中であったが、検査中も血圧低下し、ショットで投与した)、EGDを2件した。1件はICUへの出張であったが、最初に言われたにもかかわらず、諸事情(こちらの事情もあり、向こうの事情もある)で最後になり、17時を回った。

そこで嫌な思いをまたさせられた。細かく書くとうんざりした気持ちがまた戻ってきそうで、カタルシスにならないので書かない。ICUのナースには時々強烈なキャラの人がいるが、そういう人に出会ってしまったのが運のつきと思うしかない。

内視鏡室のナースはかなり忙しかったようで16時にようやく昼食にありついていた。かわいそうに。僕ももろもろ仕事があり、20時前にようやく病院を出ることができた。体調不良はどこかへ行ってしまっていたのが幸いだった。

 

10年以上前に使っていたPCに入っていた写真をようやく救出した(起動しないのでどうしようかと思ったが、セーフモードでなんとかデータを吸いだした)。

色んな写真があり懐かしくなったが、初めての海外であるカナダの写真が出てきたので、その思い出を書いてみようと思う。

今はgastroと名前が変わってしまったが、かつて世界消化器病学会という学会があった。今は毎年やっているようだが(今年はタイなので行こうかなと思っている)、当時は4年に一度というオリンピックのような学会で、2005年に当時勤務していた病院の部長が演題を出していこうと言い出した。

追記:別の記事にも書いたが、世界消化器病学会は2年に1回今もやっていて、その合間の年にgastroをやっているよう。

 

スタッフが2人で専攻医の僕が1人という少ない体制でとても忙しいのに、2人も抜けるのはまずいでしょうといったが、部長がどうしても行くと言ってきかない。2番目の先生も諦めていたのか、行って来たら?と言った(内心はらわた煮えくりかえっていたと思う)。

会場はカナダのモントリオールだった。当時の僕は日本の学会発表すら数回しかしておらず、ましてや海外の学会なぞ経験があるわけもない。英語できないんですけどと部長にいうと、DDWほど厳しい学会ではないし、なんとかなるということであった。

眼科の部長がセレブでいろんなところに旅行されていたので、カナダについて色々聞いたが、セレブすぎて(エコノミーで行くの?最低ビジネスでしょうと言われたり、勧められたホテルは超高級ホテルばかりであった)、あまり参考にはならなかった。

 

発表は部長が作り、登録もしてくれていた(僕の名前をファーストにしてくれていた)。移動を含めたら1週間かかるのに部長に荷物は機内持ち込みできる小さなスーツケースオンリーにするように言われた。過去に荷物のトラブルにあったとのことであった。詰め込むのは大変だったが、言われるとおりにした。

また、安く上げるために相部屋にするぞといわれた。おっさん二人相部屋って誤解されへんかなと嫌だったが(というか普通に嫌だった)、従わざるを得なかった。

 

そしていよいよ旅立ちの日がきて、バスで関空へ向かった。おっさん二人だが、ちょっとうきうきしていた。土産を現地で買うと荷物になるからということでまず空港でカナダ土産を買い、帰国数日後に病院に到着するように手配した(2番目の先生に少し多めにお土産を買ったが、それでもしょぼいものだった。2番目の先生は全くそれに触れなかったが多分100万もらっても喜ばなかっただろう)。

出国審査後、部長がいきなりエルメスに消えていった。子汚いおっさん(すいません)と思っていたが、意外とおしゃれでエルメスのタオル地のネクタイを必ず免税店で買うようにしているらしい。僕も尊敬する(子汚いとか言ったけど)部長を見習って、それ以降海外に行くたびにエルメスでネクタイを買うようになった。

 

エコノミーで10時間以上はきつく、あまり眠ることができなかった。エアカナダと確かノースウェスト航空が選べたが、もちろん安いノースウェストを選んだ。中々素敵な飛行機で、相撲取りの様に太ったCAがほとんど投げるようにお菓子をくれた。アジアのサルにはそれで上等ということなのだろう。何様じゃ、体臭きついくせに。

トランスファーのためデトロイトの空港に寄ったが、ものすごく混雑していた。しかも9月11日のせいか、入国審査が厳しく、半パンにだらしないシャツを着ていた僕は「Dr.? Dr.? Dr.?」と3回も聞かれた。うっさいんじゃ、見えへんで悪かったのうと思いながら、卑屈に笑ってYesと答えていた。

通り過ぎるだけのアメリカで手間取り、なんと次の飛行機に乗り遅れた。何のために荷物を機内持ち込みだけにしたのだろう‥。慌てても仕方ないのでととりあえずスタバでなんか食おうとしたが、部長の英語が通じず、I don't know.と切り捨てられていた。仕方ないので僕がジェスチャー混じりで買った。

その後、ノースウェストのカウンターに行き、今度は部長の英語で次の便に振り替えてもらった。ちょっと尊敬した。

 

紆余曲折はあったが、なんとかモントリオールに到着した。業者は通していたが送迎はなく、自分たちでタクシーを捕まえてホテルへ向かった。タクシーの運ちゃんが何か話しかけてきたが、部長も僕もよくわからず、部長が警戒心丸出しで「危ないな、詐欺かもわからんぞ、無視や無視。」と言った。多分、よーきたな、旅はどないやった?くらいのことを言っていたと思うが‥。

30分くらいでホテルに到着した。ホテルの選択肢はいろいろあったが、学会場の目の前のホテルであり、正直あまりいいホテルではないが、近い分高かった。

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男二人で泊まった部屋。

 

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ホテルから見た学会場。部長が選んだが、部長は最初の登録の時と発表日の一瞬しか会場に行かなかった。会場から離れれば同じ額でもっといいホテルに泊まれたのに、なぜここを選んだのか謎。サービスもあまりよくなく、朝のバイキングも卵とソーセージばかりで途中で見るのも嫌になってきた。

ホテルで現地のコーディネーターに会った。飛行機に乗り遅れた話をしたら、ノースウェストなんか選ぶからだと言われた。ほな、選択肢に入れんといて欲しいわと言いたかったが、ケチった僕らが悪いので仕方がない。他に日本人が何組かいて、ほとんどは男2人組だったが、同じ部屋なのは僕らだけだった。

長くなったのでいったん区切る。

 

今日の体重は76.8㎏。食欲がようやく戻ってきた。今日はジムに行かず、家トレ。