今日は勤務のある土曜日だが、検査が入っていないため(担当の部屋に入っていた検査がよその部屋に移された)、のんびりしている。
昨日の午前中、同じチームの先生が大腸ESDをすることになっていた。僕は午前中外来で午後はESD枠の担当だが、午後のESDは入っていなかった。その先生が、午前で終わらなかったら(自分は午後外来なので)、交代をお願いするかもしれませんと言っていた。終わるでしょ~とか言いながら、わかりましたと言っておいた。
12時前に外来が一段落したので、ESDを見に行ったらいい感じで病変の下に潜り込めていたので、これは終わるだろうと思い、外来に戻った。13時半ごろ、終わったかな?と思い、見に行こうとしたらヘルプの電話がかかってきた。残りの部位に線維化が強く、難渋していると。しかも腸管が長くスコープが安定しないので、太いスコープに交換していた。
バトンタッチしたが、病変が様変わりしており、全周切除されて病変下に潜り込めなくなっていた。何とかちまちま切ったが、かなり難しい。しばらくして外来を終わらせた術者の先生が戻ってきたので、ちょっといい視野になったところでバトンタッチしたが、またにっちもさっちもいかなくなったので、再度スコープを握った。
なんとか16時頃にとることができたが、一部筋層と思われる部位が抉れていた。穿孔したかと思ったが、穿孔時にいつもみえる風景(黄色い大網やフリースペース)が見えない。‥こう書くといつも穿孔させているみたいだけど、そこまで多いわけではない(笑。
念のためCTをとったが、free airも後腹膜へのairも認めず。今日腹痛もなく、熱も全くなかった。抉れていたのは結構早い段階だったので、穴が開いていれば絶対にCTでわかるはずだが、あそこは何だっただろうか? 抉れた部分の近くは、切除中ずっと不自然に盛り上がっていたので、てっきり襞かと思っていたが、襞なら切除後になくなることが多い。でも今回は切除後もなくならなかった。途中から変わったのでよくわからないことも多いが、紫に変色しており血腫でもできていたのだろうか? 慎重に経過観察をする必要はあるが、まったく症状がないので良しとしよう。
岡江さんが亡くなって、日本放射線腫瘍学会から早期乳癌術後に行われる放射線治療は身体への侵襲が小さく、免疫力低下はほとんど来さないという声明が出た。放射線性肺炎を合併していればまた別だが(乳癌ではないが、一人これで亡くなった症例を経験した)、乳癌への照射が適切に行われていればリスクは低いとも記載してあった。
志村けんも胃のポリープ切除が関連しているのではと言われていたが、上記同様、内視鏡的な胃ポリープの切除で免疫が落ちることは考えにくい。4日で退院しているとのことなのでESDではなく、おそらくEMRだろうからなおさらだ。
いずれにせよ、新型コロナは怖い病気だ。改めてお二人に合掌。