生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

十二指腸のESDはやはり難しかった

今日は内視鏡バイト。CSは2件だけだったが、先週土曜日よりは復調していた。内視鏡後にインフルエンザのワクチンを打ってもらった。誰がやっても痛いんで怒らないでくださいね~と言いながら打たれたが痛みは軽かった。おばちゃんナースはこういうのが本当に上手だ。昨年、頼まれて医局秘書さんたちに打ったが、かなり痛がっていた。勿論今年は頼まれていない(笑。

なぜ、大学で打たないのかというと有料だからだ。今まで勤務した病院(といっても二つだけど)は無料だったし、バイト先も無料だった。インフルエンザになると僕らも困るけど、病院も困るので無料で打つのが当たり前だと思っていたが、流石大学病院。‥ほんま、辞めたい。

 

火曜日に十二指腸ESDを行った。一般的には胃<食道<大腸の順に難しくなる(胃でも簡単な大腸より難しい症例はあるが)が、十二指腸は大腸よりもはるかに難しく(大腸<<<<<十二指腸としたいくらい)、症例が少ないこともあり、手を出さない施設も多い(前病院もそうで、僕も他院に送っていた)。

僕は内視鏡カンファレンスの担当で、術者を決定しないといけない。ほとんどの症例は若い先生が立候補するか、前もって自分を術者として入力しており、ほぼ術者が決まっているが、この症例は誰も手を上げず、僕がやることになった。

ESDの本は複数持っているが、十二指腸のESDは載っていなかった。ESDライブのDVDを毎年購入しているが、2019年のDVDに十二指腸ESDが収録されていたので数回見た。ストラテジーが大変参考になった。術者の矢作先生も十二指腸は大腸よりもはるかに難しいと言っていた。

hybrid ESDで済ますことも考えたが、どうせならESDで切除したい気持ちもあった。しかし、患者さんの安全が最優先であるので、危ないと思えばすぐにスネアリングすることとし、ESDに取り掛かった。

普段大腸、食道はFlushKnifeを使うが、矢作先生にあやかってDualKnifeを用い、同じようなストラテジーで切除した。こんなに神経をすり減らしながらESDをしたのは、大腸ESDを始めた頃以来だ。

矢作先生は十二指腸病変は生検で線維化してしまい、切除に難渋するのでしないようにと言っていたが、この病変は前医で2か所、当院で1か所生検されていた。

‥当院で生検したのは僕だけど(笑。最も僕は病変の上をちまっと取ったので、僕が生検した部位は線維化していなかったが、前医で生検された部位は線維化していた(どやっ。

やはり十二指腸はかなり難しかったが、なんとか一括切除できた。30×30㎜と意外と大きかった。一部筋層が露出したので潰瘍底のクリップ縫縮を試みたが、これは矢作先生のようにはうまくいかず、露出部の補強にとどまった。

当日の夜も無症状で、今日バイト後に大学病院によって会ってきたがやはり無症状だった。何とか遅発性穿孔だけは避けたい。 

 

今日の体重は77.8㎏。