今日は大学病院が開いている土曜日。内視鏡終了後、医局でぼーっとしている。
某医療サイトで飲食店従業員がコロナに感染したら営業停止〇か×かという記事があった。勿論営業停止にはならないので、検査を拒否せず受けて欲しいという主旨だったが、営業停止にならなくてもあそこの店員がコロナになったと広まってしまったら、飲食店としては致命的であり、その視野が欠けていると感じられた。
カエル先生という人が医療崩壊についてわかりやすく説明してくれている。
以下抜粋。
『ラーメン屋に並んでいてお店の人に「すみません!今日はスープ切れました!」って言われたら受け入れるじゃないですか。 なんで医療者が「もう医療リソース切れました!医療崩壊です!」って言ってるのに、「こうすれば医療崩壊しない!頭を使え!」みたいに言う非医療者がたくさん出てくるのだろう。』
『PCR「だけ」拡充しろ!とこのフェイズで言ってるのは周回遅れです。 すでにキャパオーバーのラーメン屋の前で、新たに客引きだけ強化してもさばききれません。とっくの昔にその状態。』
『PCR「だけ」やる自費クリニックが嫌われてるのは、検査で陽性でもあとの治療とかはほかの病院に「丸投げ」だからです。 勝手に客引きだけやってお金とって、あとは勝手にラーメン屋探してって言ってるようなもの。 それでラーメン屋はどこもキャパオーバーでパンクなのが今。』
『「人工呼吸器やECMOばんばん作れば医療崩壊しない!やれ!」って言うのは自由ですけど、キャパオーバーのラーメン屋でガスレンジだけ増やしてもダメ。修行したラーメン職人がいてはじめてラーメン屋は廻ります。 あと、ラーメン屋の人手が足りないからって熟練パティシエ連れてきてもダメなんす。』
『ラーメン屋に入った客がラーメン食べ終わるまで時間がかかる。 入院したコロナ患者さんの治療が終わる(治る場合も治らない場合も)までにも一定時間がかかります 今引き受けている人の治療が終わらなければ「席」は空きません コロナ禍で病院に「席」はありません。 手洗い、マスク、三密回避で自衛を』
非常に分かりやすい。ラーメンと医療は違うだろうというずれた批判もあるが、これ以上に分かりやすく説明することはなかなか難しい。
こんな反論もあった。
『ラーメンしか食べるものがなくて飢え死ぬという前提なら、秘伝のスープは諦めますので、顆粒スープでもなんでもいいので作っていただきたいですね。つまり、本当に緊急事態なのであれば、医療者も患者も質を落とすことを許容しなくてはなりません。』
‥質を落とすってどういうこと? 人工呼吸やECMOが必要な状況になっても、NIPPVや酸素投与で頑張るってこと? それで自分や身内が命を落としてもこの人は納得できるのだろうか?
勿論いろんな意見があってもいいが、カエル先生のこの叫びにだけは耳を傾けて欲しい。
『お伝えしたいことはシンプルです。
飛 沫 を 飛 ば す な
飛 沫 を 吸 う な
コロナは飛沫でうつります。 カラオケや合唱、大声の会話、咳などで飛沫が飛びます。 コロナにかかった人の飛沫があなたの口に入ってあなたはコロナにかかります。 飛沫を吸わないで、どうか生き延びて。』
医師にとって助けるべき命が目の前で失われるのは屈辱だし、無力感、虚無に苛まれる。