生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

健康診断

今日、大学病院で健康診断があった。前病院では健康診断はある時期に一気に行い、市の職員も来るため毎回大変混雑していたが、大学病院には併設の人間ドックがあり、そこで誕生日月別に行っているため、かなり空いていた。僕は5月生まれだが、赴任したてなので、この時期に呼ばれたと思われる。

人間ドックをこのように活用するのはいいと思う。前病院で部長に、内視鏡件数をどうやったら増やせるか?と聞かれた時に、人と内視鏡と光源を増やすか、人間ドックを作るしかないんちゃいますかね?と言ったことがある。言った瞬間、そら無理やと却下されたが、人間ドックは我ながらいい案だと思う。収益にもなるし、このように健康診断にも使えるし。

大学病院の人数の1/3で、年3000件多い18000件をこなしているのだから、それは限界だ。大学病院は部屋ごとに検査を割り当てられており、総数が多くないのに加えて、増えても+1~2件でストレスがないどころか物足りないくらいだが、前病院は空いている部屋にどんどん突っ込んでいく形式だったので、必然的に検査が速い医師が多くこなすことになり、不公平感が半端なかった(大腸内視鏡で上級医二人分を合わせた数より多い件数をこなした時、歩合制を導入してほしいと小さいことを思った)。

 

話しがそれた。健康診断はオプションが選べたので、ABC検診と前立腺癌検診を追加しておいた。ABC検診とはヘリコバクター・ピロリ(HP)菌の抗体と胃炎を反映するペプシノゲンを調べて胃癌のリスクを層別化する検査で、個人的には効果について疑問を抱いているし、以前受けた人間ドックでHP抗体は陰性だったのだが、ただなので申し込んでおいた。前立腺癌検診はPSAという前立腺癌の腫瘍マーカーを調べる検査で、触診はなかった(笑。

 

先日マイクロRNAによるがん検診が近いうちに実現化されるというニュースが報道された。何年か前から言われており、毎年の患者向けの講演で話していたが、ようやく実現の目途が立った様子。

しかし、どこの癌かまでは絞り込めないため、結局精密検査は必要だ。しかし、何もないとなかなか精密検査を受けようとは医師の僕ですら思わないし、できれば回避したいと思うのが普通だと思うので、きっかけとしては有用だと思う。

 

また話がそれた。身長体重は勝手に測定してくれて、結果を書いた紙が出てくる形式でハイテクだった(笑。身長180.3㎝、体重78.5㎏と180をちょい超えて(調子が良いと181になることもあるが、ほとんどは180ぴったり)嬉しかったが、服を着たままだったので、カーテンがあるのをいいことにパンツとTシャツになって測定しなおしたら、180㎝、77㎏になり、体重は減ったが、背も縮んだ(笑。太っていたときは収縮期血圧が130を超えていたが、119/76といい感じだった。腹囲も84㎝でぎりメタボ基準を下回った(この基準はあてにならないと個人的には思っているが)。

 

便潜血のオプションもあったが、セルフ大腸内視鏡をしたばかりなので飛ばした。

www.bmj.com

BMJという有名な医学雑誌に大腸癌のスクリーニングは10年間隔でよいという論文が出た。以前から欧米のガイドラインでは1回やって異常なかったら10年やらんでもいいよと言われていたが、メタアナリシス(と言いたいだけ)とシステマティックレビュー(これも言いたいだけ。賢そうだし)でそれはおうてるんちゃいますかとこの論文は言っている。

医師の立場からすればまだ納得できない。いったんクリーンコロン(ポリープの無い腸)にできたと思っても、見逃しのリスクは絶対ある。日本の内視鏡医の技術は世界トップだと思うが、それに胡坐をかいて世界に置いていかれてるのだろうか?

検査を受ける立場からすればありがたい話だ。僕は今年やったから次は10年後か。確かにあんなまずい液体何回も飲みたくないし。肛門からカメラ突っ込まれるのを嬉しく思う性癖もないし。

 

さて、ぼちぼち帰ろうかな。今日の体重は検診で測った77㎏にしておこう。