生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

もう専門医はいりません / 他院でとれなかった病変のESD

アメリカっていう国は是非はともかく破天荒だ(笑。世界一の大国のトップを決める選挙がこんなにプリミティブでいいんだろうか? 

関係ない立場から見たら面白いけど。トランプがしょぼくれているように見えるのがなんか切ない。

 

先日、同僚Dr.に某学会の専門医を持っているか聞かれた。その学会は昔入っていたが、専門医を取る資格として学会になる前の研究会から入会している必要があり、それを満たさなかった僕は下らないことするなあと思い、継続して入る価値を見出せず退会した。

しょぼいニッチな学会なうえ、そんなことをしたせいで専門医が増えなかったせいか(大した権威もないのに愚策だわ。ていうか、専門医更新時の万単位の出費はほんま何とかしてほしい。専門医ビジネスにはうんざり)、後日緩和されたようだが、持ってても価値がないし、今持っている専門医5個(うち4つは指導医)の維持もしんどいので入る気がせず入らなかった。

今大学病院にはその先生しか専門医がおらず、自分が辞めた後(ずっと前から辞めたいと言っている)、病院で誰か一人専門医が必要だから僕に取ってほしいと言われたので、

僕もあまり長居しないんで僕が取っても仕方ないのでは?

と言った。ていうか、そんなもん取ったら余計やめられへんやん。その学会が魅力的なものなら取ることも検討するが、ぶっちゃけ全く魅力ないし。

ていうか、学会が多すぎる。消化器系だけでいくつ専門医があるのやら。偉い先生に役職をつけるためだけの学会も‥。 

 

今日は大腸ESDを行った。難病変で前医では取れないとのことで紹介となった症例。術前検査を僕が担当し、何とか全周切れそうなので、無理な場合のEPMRや手術が許容されるのならトライしてみてもいいかもと書いたら、ほなお前やれと言われた(笑。

S状結腸の病変で病変近傍が癒着していてポジションが安定しない上に、襞をまたいでいて病変の全貌が見えず、しかも下剤の影響で虚血性腸炎まで起こしていて病変近くの粘膜が浮腫を起こしているという悪条件が重なった。

一番難渋すると思われた病変口側がなんとか切開できたので、手前から切開剥離していったところ、途中で強固な線維化が出てきた。これはきついなと思ったが、先端系からIT knifeに変更してちまちまと剥離していった。

病変が小さかったのが唯一の救いでわずかに組織が残った(多分正常粘膜)が、なんとか1時間強で切除できた。

開始時はプレッシャーで話す気がしなかったが、進むにつれてちょっとずつ喋る余裕が出てきた。でも本当は鼻歌まじりで切除できる簡単な症例がやりたい。前庭部の病変を数分で切ってどや顔したい(簡単な病変で何いきっとんねんって思われるだろうけど)。

前回の十二指腸もそうだが(adenomaで断端陰性だった)、今回の病変も結構プレッシャーがきつかったが、その分切除出来た後の達成感と開放感は心地よい。