生きよ 堕ちよ

高校留年~プータロー~文系大学~再受験し医師~内視鏡に魅せられ消化器内科へ

便をこすことになった理由①

GW中、観光地は人で一杯だったし、今も通勤する人は減らない。いくら自粛を言われても、五輪はやる気満々だし、政治家や官僚は宴会やってるしでは、誰も従わないのは自明だ。

 

blog.livedoor.jp

抜粋。

竹田恒泰
「五輪に反対してる6割の人は五輪見ないんですか?

いや、見るっしょ。見るよね?
反対って言うなら、じゃ見るなよ!って話

でも、絶対見るんですよ。
そして日本人が勝ったり池江選手が勝ったら、感動するんでしょ
おかしいでしょ!そんなもん』

‥こいつ、本気か? なんだ、この原始的で稚拙な二元論は? オリンピック反対=オリンピック否定ではない。

オリンピックによる感染蔓延の危惧>>>オリンピックを見たい気持ち

多くの人はこうだろう。これまでのオリンピックでも反対する人はいただろうが、それは多数派ではなかった。

でも、今回強行した場合、正直見る気はしない。だから、このチョモランマ級バカと同レベルに落ちるのは嫌だが、「みねーよ、ばあか。」と言っておくw

 

 

先日、十二指腸の珍しい病気が紹介されてきた(本邦報告例は数十例らしい)。色々精査して、内視鏡治療できそうだということで先日行った。

十二指腸乳頭(胆管、膵管の出口)のすぐ近くにあり、乳頭切除に準じて行う必要があった。もちろん誰も経験がないため、自分でストラテジーを考えないといけない。

まず乳頭と腫瘍の間をESD用ナイフで切除し、スネアがかかるようにして粘膜切除術を行う。すぐに切除した腫瘍を回収し、止血、潰瘍底縫縮を行って、ENPD(膵液を体の外に出す管。鼻から出る)を留置する(ENBDもいれてもよいが、胆汁より膵液の方が遥かに消化作用が強いので、患者の負担を考えENPDだけとした)。

このようにストラテジーを考え、頭の中で何度かシミュレーションしていざ本番。本当は万難を排して最後にやりたかったが、他の検査との兼ね合いがあり、一番最初になった。えっ?と言ったが、ここで強く言えなかったのが後でたたってくる。

透視室にある高周波は古いが、むしろパワーはいらないので、それで行こうと思っていた。しかし、技師さんが気を利かせてより新しい機械を持ってきてくれていた。折角と思い使うことにしたが、これも後でたたってくる。

 

いよいよ本番。まずESD用ナイフで切開し、粘膜切除術を行ったところまではよかった。が、切除した瞬間、大量の動脈性出血あり(糸を引くように噴いていた)。病変を回収しようとしたが、瞬く間に血で水没してしまい、病変が見つからず。このままでは回収できないため、止血を行った。側視鏡で難渋したが、何とか止血した。

今回使った高周波はパワフルすぎて、大腸ポリープ切除でも切れが良すぎて出血することがあった。初志貫徹して古い高周波を使わなかったのが仇となった。

長くなったのでいったん区切る。